シニア世代から始める資産形成に適した運用法と金融商品

シニア世代が老後のための資産を形成するためには、お金をただ寝かせておくだけでなく運用することが重要です。ですが資産運用は金融商品によってはリスクが高いものもありますし、運用で資産を減らしてしまっては元も子もありません。

そこで、シニア世代が資産運用を行う第一歩として適した、リスクが低く安定した金融商品や制度について紹介します。

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シニア世代の資産運用の心得

まず、シニア世代で資産運用を行うにあたって、必ず肝に銘じなければならないのは、低リスク運用を心がけることと流動性を重視することです。

若い頃の失敗は歳を取れば笑い話に昇華できるかもしれませんが、歳を取ってからのお金の失敗はリカバーが効きません。単純にその後の人生で得られる収入が少ないため、元手を大きく減らしてしまうと取り返すのが困難なのです。

ですので、シニア世代以降は利回りの高さやリターンの期待値の高さよりも、リスクの低さを最重視して運用する必要があります。景気のいい話に考え無しに飛びついたりせず、定量的にリスク分析を行う冷静さが求められます。

また、急な病気・入院・手術などのために、流動性の高い資産を確保しておくことです。極端な例を挙げれば、満期まで20年の金融商品に預金の全額を突っ込んでしまったら、その間に急病にかかりお金が必要になったときに大変なことになります。

一定の現金は確保し、金融商品もいつ解約しても元本を大きく欠損しないものを中心にポートフォリオを組む必要があります。

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まずはNISAから始めよう

資産運用をこれから始めようという方には、まず第一にNISAを始めるのをお勧めします。後述しますがNISA口座での運用益は完全非課税になるため、NISA口座を利用しないまま税金を払って金融商品を運用するメリットがありません。

ちなみに、分離課税となる金融商品で発生した利益には、配当にも売却益にも一律20.315%の税金がかかります。NISA口座での取引ではこれが一切免除されるのですから、使わない手はありません。

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NISAとは

NISAとは、一人一口座のみ保有できる特別な口座で行った資産運用について非課税とする、資産運用の促進を目的とした国の制度です。NISA口座であれば何でもいくらでも取引し放題というわけではなく、例えば一般NISAでは一年あたりの購入上限額が120万で口座保有期間は5年、購入できる金融商品にも制限があります。

NISA口座で購入できる金融商品は国が低リスクだと認めたものに限られるため、その意味でも初心者の投資の第一歩には非常に向いた制度です。

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必要なもの

NISAを始めるために必ず用意しなければならないのは、マイナンバーカードと身分証明書です。

非課税となるNISA口座は一人一口座に限って国が許可するため、証券会社が申込者のマイナンバーを国税局に通知し、他の証券会社でNISA口座が開設されていないかどうかを確認します。この作業はNISA口座開設に必須のため、どの証券会社で申し込んでもマイナンバーカードは必ず求められます。

もしマイナンバーカードをまだ取得していない方は、あらかじめマイナンバーカードを作っておきましょう。

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NISAの種類

2022年現在、NISAには一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3種類があります。このうち、ジュニアNISAは未成年のみが対象である上に2023年で終了予定なので、残り二つについて説明します。

一般NISAは5年の期間限定で年間120万円まで金融商品を取引でき、対象となる金融商品も上場株式やREIT・投資信託と幅広いです。年間上限額が高く期間が短いということで、本格的に投資をしてみたいという方の足がかりになるような内容になっています。

一方でつみたてNISAは、年間上限額が40万円で20年間保有できる、文字通り長期積立型のNISAです。対象となる金融商品は投資信託とETF(上場投資信託)のみであり、その中でも特に低リスク・安定志向・ノーロード(販売手数料無料)などの条件を満たしたファンドのみが対象になっています。

シニア世代からの資産形成という目的を鑑みると、特に株取引などの経験が無いならばつみたてNISAで腰を据えてやっていくのがお勧めです。

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金融商品の選び方

つみたてNISAでは低リスクの投資信託・ETFのみが購入できますが、その中でも対象となっているのはほとんどがインデックス型と呼ばれるファンドです。インデックス型はある経済指標に連動するような値動きを取るように運用されているもので、リターンの大きさよりも長期スパンで見たときの安定性を重視しています。

ですので、つみたてNISAの対象となっている金融商品ならば、好みや直感で選んでしまっても構いません。それまでの実績や年間の信託報酬の低さを考慮して選んでもいいでしょう。

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貯蓄型保険

保険と聞くと、万が一の時の備えというイメージが強く、資産運用との関連性を思い当たらないかもしれません。掛け捨ての保険はそうなのですが、保険の中には貯蓄型保険というタイプのものもあり、これはいざという時の生命保険と同時に、貯蓄も兼ねることができます。

貯蓄型保険の仕組み

貯蓄型保険は、万が一の時に死亡保険金が下りることだけでなく、途中での解約での払い戻し(解約返戻金)や保険の満期まで契約を継続したときに支払われるお金(満期保険金)が高額であり、その名の通り貯蓄としても機能するものです。

何故そのようなことが可能かというと、保険会社は貯蓄型保険の保険料に限らず、顧客から預かったお金を元手に他の金融商品で運用してお金を増やし、保険金支払いなどに充当しています。貯蓄型保険は掛け捨ての保険と比べれば保険料は割高であり、また満期保険金などの目的の方が多く短期での解約率が低いため、運用益として高額の満期保険金などが受け取れるようになっているのです。

貯蓄型保険のメリット

貯蓄型保険の保険料は、基本的に「一般生命保険料控除」として所得税上の控除を受けることができます。所得税の課税標準からの控除なので、払った保険料分だけ丸々税金が差し引かれるわけではありませんが、それでも貯蓄しながら税金も安くできるのは魅力的ですね。

なお、保険の設定や契約の仕方によっては貯蓄型保険が「金融類似商品」として扱われ、生命保険料控除の対象にならないことがあります。基本的には、保険料支払いが一時払(一括払い)で、契約後5年以内に満期を迎えるものが金融類似商品とみなされます。

一般的な貯蓄型保険はこれにあたりませんが、契約の際には保険料控除を受けられる商品であることを確認してください。

また、もし万が一のことがあり相続が発生したときも、家族に現金を残せるという点で非常に大きな意味があります。法定相続人が受取人となる死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象になりますが、みなし相続財産にあたる保険金には500万円×法定相続人の数という非課税額が付きます。

例えば死亡保険金が2,000万円で、法定相続人が配偶者と子2人の3人だった場合、2,000万のうちの1,500万が非課税となり500万のみが相続財産に算入されます。よって貯金をそのまま相続財産として残すよりも税制上有利になります。

具体的な貯蓄型保険

貯蓄型保険の基本は養老保険です。養老保険は商品にもよりますが、基本的には満期まで継続すると下りる満期保険金の額が死亡保険金と同額であり、満期になると老後のためのまとまった資金を手にすることができます。また、もし急にお金が必要になり中途で解約したとしても、契約期間にもよりますが解約返戻金も比較的高額です。ただしその分、保険料も高くなります。

保険料の支払いを抑えたい場合は終身保険も検討してみましょう。

終身保険は文字通り一生保険期間が継続するので満期という概念が無いのですが、払込期間が長ければ高額の解約返戻金が受け取れるため、老後の資金が必要になったタイミングで解約を行うことで貯蓄型保険として活用することができます。

終身保険の中で特にお勧めなのが低解約返戻金型の終身保険です。「低解約返戻金」といっても契約から一定期間の解約のみ返戻金が少なく、一定期間を超えると通常の終身保険と同額の解約返戻金が受け取れます。短期解約にペナルティがある終身保険と考えるといいでしょう。その代わり保険料は若干安くなるため、短期解約をしない前提で考えれば非常にお得です。

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その他の金融商品

NISAの枠を使い切り保険もかけて、それでも資産運用に回せる余剰金がある場合、つみたてNISAの対象となっている低リスクの投資信託を通常の口座で購入するのがお勧めです。

NISAとは違い配当や譲渡益が出た場合は課税されますが、証券口座を源泉徴収ありで開設していれば面倒な確定申告は必要なく、NISAの延長として運用することができます。

ただし、一定程度の現金を口座に残しておくことを忘れないでください。

シニア世代から始める資産形成と老後を見据えたライフプランニング

まずは安全な商品で一歩目を踏み出そう

本格的な資産運用には知識と経験が必要です。その意味でまずは実際にやってみることが重要なのですが、シニア世代からとなるとリスクが取りづらいこともあって難しいことが多いと思います。

そこで、まずはあまり欲を出さずに、ここで紹介したような安全な商品で運用の第一歩を踏み出してみてください。資産形成をしながら運用の経験も積み立てていけば、老後の人生もきっと実り多きものとなるでしょう。

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