「生活の場」としての特別養護老人ホームの位置づけと役割

介護保険制度の中には、老人ホームの種類が細かく分けて設定されています。

その中でも、重度の介護を必要とする方の「生活の場」として設定されているものが「特別養護老人ホーム」と呼ばれる施設です。

特別養護老人ホームとは

特別養護老人ホームとは、比較的重度の介護を必要とされる方にご入居いただき、介護サービスの提供と、生活の場の提供をする施設です。

比較的重度の介護度というのは、要支援1,2要介護1,2,3,4,5の全部で7段階ある介護度のうち、要介護3,4,5の方を指します。

これら、重度の介護を必要とされる方に対して、安心、安全な日常生活を送っていただけるように必要となる、生活上の介護の提供と、生活の場としての居室の提供、快適な日常生活を送っていただくために必要とされるレクリエーションの提供、栄養管理された食事の提供、健康管理のための定期的な受診サービスの提供をすることとなっています。

特別養護老人ホームの位置づけ

 特別養護老人ホームは、介護三施設として介護保険制度の中で家賃、食費、サービス費の全てが決められている施設です。

他の在宅系サービスと呼ばれるサービスでは、家賃(居住費)や食費についても、施設独自に設定できるため、高くなりがちです。

在宅系サービスと比較した場合、毎月の費用負担は低くなります。

介護三施設ごとの特徴は?

  • 特別養護老人ホーム:「心地よい生活の場の提供」がメインとなる施設
  • 介護医療院:介護サービスに加えて、医療サービスが常に必要とされる方のための施設
  • 介護法人保健施設:リハビリを受けることで、自宅などの、より軽度の施設で生活を可能とするための施設

ということになっています。

少なくとも週1回程度の受診は、施設の中で受けることができますが、この受診で入院や専門医の治療が必要と判断された場合には、入院や通院をする必要も出てきます。

あくまでも、健康状態の管理という観点からの受診サービスがある程度となる場合がほとんどです。

介護医療院と介護老人保健施設には、医師が常駐していますが、特別養護老人ホームのほとんどは、医師の常駐はありません。
医療やリハビリの代わりに、日常生活を快適に送ることに特化した施設と考えれば良いでしょう。

特にこの10年ほどの間、新たに開設された特別養護老人ホームはほとんどがユニット型と呼ばれる完全個室の施設です。
他の介護三施設では個室化はほとんど進んでいません。
生活の場として考えた場合には、個室の確保が必要であるという考えの結果です。

また、個人の居室を個室とするだけではなく、10室程の居室ごとに、共同のリビングが設置されているもの特徴です。
このリビングを共有する10人程の入居者同士、顔見知りとなり、友人関係を構築することで、日常生活も楽しめるものになるというコンセプトとなっています。

このようなユニット型と呼ばれる施設では、入居者が、より快適に過ごせるよう、最適なサービスを提供するための研修も義務付けられており、より上質なサービスを受けられることが期待できます。

特別養護老人ホームの役割

介護度の上昇と比例して、寝たきりになっていくケースも多いのですが、たとえ寝たきりの状態になっても、快適な日常を送りたいと思うでしょう。

そうした方々のうち、日常的に医師や看護師の医療的なサポートを必要とする方は、サービスの適切な提供をする必要から、生活環境上の制約が発生してしまいます。

一方、そのような医療サービスを必要とせず、日常の介護さえ提供してもらえればよいという状況の方であれば、可能な限り生活上の制約は無くして「快適に生活してもらう」というコンセプトで制度化されたのが、ユニット型特別養護老人ホームです。

もちろん手厚いサービスを提供するにはコストが発生しますが、特別養護老人ホームは地方自治体か、非課税法人である社会福祉法人にしか運営することが認められていません。
税制優遇する代わりに、安価で手厚いサービスの提供が義務付けられているとも言えます。

これらの点から、特別養護老人ホームに、とくに求められる役割としては

  1. サービスの安価な提供
  2. 入居者の安心安全、且つ快適な日常生活を可能とする手厚いサービスの提供

であると言えます。

まとめ

特別養護老人ホームの特徴は

  1. 比較的安価に利用できる
  2. 要介護3,4,5の方が対象となる
  3. 日常的に医療サービスを必要としない方が対象
  4. 日常生活を楽しむための施設

となります。

要介護3以上で安価に、比較的手厚い介護サービスを求められている方には最適な施設となります。

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